大器晩成とは『真に偉大な人物は遅くれて頭角を表す』という意味。
例えば大器晩成型で、遅咲きの有名人や偉人には以下のような人がいます。
変化の激しい今の社会では、すぐに結果を出すことが求めらますが、根が広がっていない木は大樹に育たず倒れやすい。
それと同じで、時間をかけて1歩1歩着実に成長する人は、上の有名人のように歳を取ってから大成する傾向にあります。
器用な人間は武道を始めてから早期に結果を出すことが多い。しかし壁にぶつかった際、嫌になり武道を辞めてしまう事例を多く目の当たりにしてきた。反対に、最初は結果を出せなかった不器用な人間が地道な努力を重ねた結果、すごい武道家になった事例もある。人間というのは長い目で見ないとわからないものなのだ。
引用:かぜの帽子「ある武道家の書いた本」
そこでこの記事では以下の内容をお伝えしていきます。
- 大器晩成型に多い性格的特徴
- 大器晩成型に多い気質(DNA)とは?
- 大器晩成型診断テスト
- 大器晩成型が大成する方法
大器晩成型に多い5つの性格的特徴
文科省が行った調査によると『大器晩成型』は35歳以降。早くても32歳頃から徐々に頭角を現し、50歳位を目処に大成していくそうです。
なぜなら大器晩成型の人ほど、以下の5つの性格的な特徴を持っているからです。
- 真面目で忍耐強く努力家
- 計画的で管理能力に優れる
- 内発的意欲が強い
- 知的欲求が強い
- 創造性がある
1つずつ解説していきますね!
❶計画的で管理能力に優れる
先ほどの文科省の調査によると、大器晩成型の人ほど『計画力』や『管理能力』が高いという報告があります。
そのため目標やゴールを設定して、そこに向けて着実に成長していくことができます。
真面目で忍耐強く努力家
大器晩成型の人は計画的で管理能力に優れ、目標やゴールを設定できるからこそ、忍耐強く真面目に努力を重ねることができます。
その努力が、歳を重ねて身を結ぶから大成していきます。
内発的意欲が強い
内発的意欲とは『好奇心』『探究心』『やりがい』など、自分の内側からもたらされる意欲のこと。
逆に『報酬』『評価』『見返り』など、自分の外側からもたらされる意欲を外発的意欲という。
大器晩成型の人は内発的意欲が高いからこそ、失敗や周りに振り回されることなく、成果がでるまで諦めずに自分の信じた道を進むことができます。
知的欲求が強い
また大器晩成型の人は内発的意欲が高いからこそ、必要な知識を貪欲に学ぼうとする姿勢があります。
目標やゴールに辿りつくまでに、理解できないことや不明瞭なことがあると徹底的に調べ、明らかになるまで取り組みます。
だからこそ、着実に成長できるんですね。
想像力に優れる
想像力は自分の学んだ知識や体験から生まれてくるもの。そのため知的欲求が強い大器晩成型の人ほど、想像力に優れます。
想像力が働き、まだ誰も思い付いていないことや、やっていないようなことを思いついて成功するパターンが多いそう。
ウォルト・ディズニーやダーウィン・安藤百福や伊能忠敬などが、まさにこのタイプですね!
大器晩成型の人に多い気質(DNA)とは?
最近の研究では、その人の持つ性格や才能は50%以上、生まれつきの遺伝によって決まってくるとされています。

そのため『大器晩成型』の人も、生まれつきの気質によって決定付られることが多いと言われます。
では『大器晩成型』の気質とは?それが『内向型』と呼ばれる気質を持った人たちです。

『内向型』とは心理学者のカール・ユングが唱えたパーソナリティの1つ。ユングによると人間は『内向型』と『外向型』のどちらか寄りの気質を持って生まれてくるとされている。
そして内向型は、以下の5つの性格的な特徴を持っているため『大器晩成型』の傾向が高い。
- リスクに敏感で準備や計画を重視する
- 特殊好奇心が高く1つの分野を追求する
- 知性が高く複雑なことに粘り強く取り組める
- 内発的動機によってエネルギーを得る
- 本質を見抜く能力が高く優れた創造性がある
❶リスクに敏感で準備や計画を重視する
内向型はリスクに敏感な性格を持ち、準備や計画を重視する傾向があります。
というのも、内向型は生まれつき刺激に対する感度が高く、無意識に失敗やリスクなどの強い刺激を避けようとするからです。

- 内向型
- DRD4遺伝子が短く、刺激に対する感度が高いため、無意識に強い刺激を抑えようとする
- 外向型
- DRD4遺伝子が長く、刺激に対する感度が低いため、無意識に強い刺激を求めようとする
その結果、リスクや失敗を避けるために、事前の準備や計画を重視する傾向が高く、「計画性」や「管理能力」に優れています。
神経生物学的に見ると内向型人間は「安全追求型」。周囲をよく観察し、行動する前にじっくり観察して戦略を考えてからでないとリスクを伴うことに関わろうとはしません。
そのため、内向型は計画を立てるのが上手で、いったん立てた計画をきちんと守ろうとします。
引用:内向型人間のための人生戦略大全
❷特殊好奇心が高く1つの分野を追求する
刺激に敏感な内向型は、刺激を抑えるために働く「特殊好奇心」が高く、1つの分野やテーマを徹底的に追求することに長けています。

- 特殊好奇心とは
- 『不明瞭なこと』や『理解できないこと』を明らかにして刺激を抑えるために働く好奇心のこと。
- 方向性を1つに定め、1つのことを追求する性質があります。
その結果、1つのことにコツコツ取り組める「忍耐力」や、1つの分野において高い専門性を身につけることに長けています。
内向型人間には「目標を目指し続ける忍耐力」があります。強い意志をもって1つのことに専念し、外向型人間のように他に気を取られたり、すぐに飽きてしまったりしません。
引用:内向型人間のための人生戦略大全
❸知性が高く複雑なことに粘り強く取り組める
また内向型は外向型に比べ知性が高い傾向にあり、複雑なことにも粘り強く取り組むことができます。
- 研究①
- ある研究では、大学生141人を対象に、美術・天文学区・統計学など20種類のさまざまな科目に関するテストをしたところ、ほぼ全科目について内向型の学生の方が知識で勝っていた。
- 研究②
- 修士号や博士号を取得する人数も、全米育英会奨学金を受ける人数も、成績優秀者が入会できる〈ファイ・ベータ・カッパ・クラブ〉の会員数も、内向型のほうが多い。
- 研究③
- 企業が採用や昇進の際に使用する、批判的・論理的思考思考を評価する〈ワトソン・グレイザー批判思考力テスト〉でも、外向型より高得点を取る。
なぜなら、刺激に敏感な内向型は、刺激の弱い神経伝達物質「アセチルコリン」を用いた情報処理経路を備えているからです。

アセチルコリンは、深く考え、熟考し、1 つのことに長時間集中する能力を高めます。それは「幸福」のヒットを与えることで精神的な集中に報いる。
アセチルコリンは、集中力や思考を深める効果があるため、内向型は複雑な問題や課題に対しても考えを巡らせ解決に導く”思考力“に長けています。
引用:内向型人間のための人生戦略大全
- 内向型と外向型に複雑な迷路の問題をやらせたところ、内向型の方が正解率が高く、はじめる前に時間をかけて考えることがわかった。
- 内向型は行動する前に考えて、情報を綿密に消化し、時間をかけて問題に取り組み、簡単にはあきらめず、より正確に作業する。
- 外向型はより安直なやり方で問題解決を図り、正確さは二の次なので、作業が進むにつれ間違いが増え、手に追えないと挫折感を抱くと、すべてを投げ出してしまう。
❹内発的動機によってモチベーションを得る
アセチルコリン経路の情報処理を行う内向型は、「好奇心」や「ひらめき」などの内発的動機によってモチベーションを得ます。

内発的意欲による動機づけは、自律性が高く、周りに理解されなかったり、うまくいかない場合でも、成果がでるまで諦めずに自分の信じた道を進むことを可能にします。
ウォズニアック(Apple創設者の1人)が10代の頃”孤独”で、その間に生涯のの情熱を傾けるべき対象に熱心に取り組んだという事実は、並外れて創造的な人にとって古典的な話である
引用:スーザン・ケイン「内向型人間のすごい力」
❺本質を見抜く能力が高く優れた創造性がある
そして、物事を深く考えることができる内向型は、物事の構造や仕組みを分析して、本質を見抜く能力が高いと言われています。

物事を多方面から検討したり、分解して再構築するのが好きなのは、世の中で「内向的」と呼ばれる人たちの方で、その表現とは矛盾しますけれども、そういう面に関して彼らは全く内向的ではありません。
引用:スーザン・ケイン「内向型人間のすごい力」
そのため、何かを設計したり、組み合わせながら新しいものを生み出す創造性に長けています。
研究の結果、得られたもっとも興味深い発見のひとつは、すばらしい創造性に富んだ人々は落ち着いた内向型だという点で、のちの研究でも同じ結果が得られた。
引用:スーザン・ケイン「内向型人間のすごい力」
1分でわかる!大器晩成型診断テスト(20問/3択式)
このように内向型ほど、大器晩成型の5つの特徴を備えており、大器晩成型の気質であることがわかります。
そこで!あなたが大器晩成型の内向型かどうかを診断できるテストをご用意しました。
3択の中から答えを選択していくだけなので、ぜひ1度試してみてくださいね^^
ぜひ試してみてくださいね!
\全20問(3択式)/

グループよりも1対1の会話を好む
文章のほうが、自分を表現しやすいことが多い
1人でいる時間を楽しめる
周りの人に比べて、他人の財産や名声や地位に、それほど興味がないようだ
内容のない世間話は好きではないが、関心のある話題について深く話し合うのは好きだ
聞き上手だと言われる
大きなリスクは冒さない
邪魔されずに「没頭できる仕事」が好きだ
誕生日は、ごく親しい友人1人か2人で、あるいは家族だけで祝いたい
「物静かだ」「落ち着いている」と言われる
仕事や作品が完了するまで、他人に見せたり意見を求めたりしない
他人よ衝突するのは嫌いだ
独力での作業で最大限に実力を発揮する
考えてから話す傾向がある
外出したあとは、例えそれが楽しい体験であっても、消耗したと感じる
かかってきた電話を留守番電話に回すことがある
もしどちらか選べというなら、忙しすぎる週末より、何もすることがない週末を選ぶ
1度に複数のことをするのは楽しめない
集中するのは簡単だ
授業を受けるとき、セミナーよりも講義形式が好きだ
外向型

意識が自分自身の外側に向くタイプ
主な特徴は以下の5つです。
- 周りで起こっている出来事に注意が向きやすく、出来事を客観的に捉えます。
- 同時に複数のことを進めたり、状況に合わせて臨機応変に対応をするのが得意。
- 物事を理解する時は、「感覚」「イメージ」「直感」「体験」に頼る。
- 疲れた時は、1人でいるよりも、誰かと楽しく騒ぐことでエネルギーが回復する。
- 楽観思考で積極的、人と関わることが得意です。
両向型

意識を自分自身の内側と外側の両方に向けれるタイプ
主な特徴は以下の5つです。
- 自分の思考や感情を周りのTPOに合わせて切り替えることができる。
- 1人で進める仕事であっても、周りと協力しながら進める仕事であっても卒なくこなすことができる一方で、優柔不断な部分があり自分の判断で進める仕事は苦手。
- 物事を理解する時は、「理論」「データ」などの裏づけと「直感」「経験」をバランス良く考える。
- 疲れた時は、アクティブに行動したあと、1人ゆっくり休むことでエネルギーが回復する。
- 協調性が高く、周りに合わせることが得意。
内向型

意識が自分自身の内側に向くタイプ
主な特徴は以下の5つです。
- 自分の思考や感情に注意が向きやすく、出来事を主観的に捉えます。
- 1つのことに1人で集中的に取り組み、物事を深掘りするのが得意。
- 物事を理解する時は、「理論」「データ」「分析」「法則」などの裏づけが必要。
- 疲れた時は、誰かといるよりも1人になって好きなことに没頭することでエネルギーが回復する。
- 不安が多く消極的、人と関わることが苦手です。
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大器晩成型が大成するための3ステップ
これまで述べたように大器晩成型に多いのが内向型という気質を持った人たちです。
しかし『内向型の全員が歳を取って大成しているのか?』と言えば、決してそんなことはありません。
なぜなら社会は外向型を理想とした価値基準で能力を評価しているからです。
そのため内向型の多くは、自分の弱みを補うことにエネルギーを費やしてしまうことが多いんですよね。
その結果『自分の強み』を発揮できないまま、何も成し遂げられず一生を終えてしまいます。
人が何かを成し遂げるのは、強みによってのみである。
弱みはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい。
<「強みに集中し、卓越した成果をあげよ。」
引用:P.F.ドラッカー『マネイジメント』
だからこそ、大器晩成型の内向型が大成するためには、自分の強みをきちんと理解し、社会の価値基準に流されないことが非常に大切なんですね。
では、自分の強みとは?それが以下の図のように自分の「価値観・好き・得意」が重なる部分に強みが隠れています!

1つずつ詳しくお伝えしていきますね!
❶自分の価値観を理解する
価値観とは、自分が価値を感じていることや、大切だと思うこと。
自分の強みを理解するうえで、まず最初にやるべきなのが『自分の価値観』を理解するということ。
なぜなら人間は、自分の価値観や信念に従った行動・能力・環境を身につけていくからです。

自分の価値観が理解すると、その価値観に従い、無意識にどんな行動を選択しているのか?ということが見えてきます。
自分の好きなことを理解する
自分の価値観を理解し、自分が無意識に選択している行動がわかるようになると『自分の好きなこと』を理解できるようになります!
なぜなら、好きなこととは『自分の価値観を満たそうとする行為』だからです。

例えば、「報酬や名誉」に価値を感じる人は、お金稼ぎや勝負事などの行動を無意識に優先しますし、「内面の充実」に価値を感じる人は、読書や自分と向き合う行動を無意識に優先します。
自分の得意なことを理解する
そして上の図が示すように、自分の好きなことを理解すると『自分の得意なこと』を理解できるようになる。
なぜなら、得意なこととは『才能を活かせる領域』のことだからです。

好きなことに取り組むことで、無意識に能力が身につき、その能力を活かせる領域が『得意なこと』になるんですね!
そして、この3つを理解すると『内発的意欲』が湧いてきます。

前途したように、内向型は自分の内面に注意や関心が向かい、内発的意欲によってモチベーションを得ます。
そのため、内発的意欲に応え、内的適応することが内向型にとっての「進化的・適応的」意義となり、優れたメンタルやパフォーマンスを発揮することができるんです!

- 内的適応とは?
- 自分の内面からの期待や要求に応え、自分を受容していくこと
- 外的適応とは?
- 社会からの期待や要求に応じて自分を変え、他者から受容されること
その結果、周りに流されず、自分の信じた道を成果が出るまで諦めずに進むことができるようになり、大成していくんですね!

そこで!以下の記事では自分の『価値観』『好きなこと』『得意なこと』を理解するためのワークをご用意しています。
大器晩成型の気質を活かして大成したい方は、ぜひ試してみてくださいね!
また、以下の記事では、内向型の正確や特徴・強みについてさらに詳しくお伝えしています!
自分の気質を理解することで、自分の価値観の傾向も理解できるため、ぜひこちらも参考にしてみてくださいね!
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!










































