会社という組織には『複雑な人間関係』や『不合理な評価』が付き纏い、生活のために我慢して組織で働いている人も多いと思います。
しかし生まれつきの性格によって組織が合わない人も存在し、組織で長く働いていると『うつ病や適応障害』になってしまうリスクが高まります。
そこで、この記事では以下の内容をお伝えしていきます。
- 組織に向かない人の特徴
- 組織に向かない人の性格
- 組織に向かない人の強みと適職
もくじ
組織で働くのに向かない人の5つの特徴
経団連が発表した資料によると、組織が重視する『個人の能力』の上位は、以下の5つであることがわかりました。
グラフを見ると、多くの人と積極的に関わり、周りを引っ張れるリーダーシップがある人が求められていることがわかります。
というのも、組織のあり方が「ピラミッド型」から「フラット型」に変わり、1人1人が”自分で考え行動する”ことが求められるようになってきたからです。

そのため組織に向かない人とは、以下の5つの特徴がある人だと言えます。
- 消極的で人と関わるのが苦手
- 競争心が低い
- 合理的で個人主義が強い
- 変化が苦手
- 複数の仕事を抱えるのが苦手
1つずつ解説していきます。
消極的で人と関わるのが苦手
組織に属していると、毎日多くの人と関わります。自分の部署の人から、他部署の人。さらに取引先や顧客など。
そんな中で誰とでも信頼関係を築ける『コミュ力』や『協調性』が高い人。
または『リーダーシップ』を発揮して周りを動かせる人ほど組織では求められ、評価されます。
そのため、消極的で人と関わることが苦手な人ほど、組織で働くのは向いてない傾向が高い。
競争心が低い
組織で働くうえでは、社内外で起こる競争に打ち勝っていかなければいけません。
そして競争に勝つためには、時には周りへの『根回し』や『ゴマすり』。または『ノルマ』や『成績』によって周りより自分が優れていることをアピールすることが付き纏います。
そのため競争心が低い人は、組織で働くことに向かず、辛くなってしまうことが多い。
合理的で個人主義が強い
特に日本の企業で働いていると無駄で非効率で不合理な謎文化が沢山ありますよね。
- 上司だけでなく部署全員がハンコ押すまで稟議が通らない…。
- 周りが残ってる中、自分だけ先に帰るのは失礼にあたる…。
- 真っ当な理由がないと有給を取れない…。など
日本は欧米のように多民族国家の『個人主義社会』ではなく、昔から単一民族の『集団主義社会』だからです。
その結果『個人の尊重』より『集団の和』を尊重し、自己主張できる人よりも周りに合わせられる人が評価され、非合理な謎文化が未だに多い。
そのため、合理的で個人主義が強い人は、日本の組織には向いていません。
変化が苦手
組織で働いていると、人の入れ替えや部署の移動。それに伴ない人間関係や取り組む仕事もコロコロ変わります。
せっかく仕事に慣れても、また新しいことを1から覚えなければならなかったり、移動場所で適合できないことも考えられます。
その結果、今まで積み上げたものが0になることも…。
そのため変化への適応が苦手で、変化が成長の糧とならず足枷になりやすい人は組織で働くのは向いていません。
複数の仕事を抱えるのが苦手
組織の強みは多くの人材を抱え、複数の案件を同時に抱えることができるところにあります。
そのため、組織で働く人は周りと協力しながら、複数の仕事を同時に進めていくことが求められる。
これが苦手で、1つのことに絞り、1人マイペースに仕事する方が得意な人は組織で働くことには向いていません。
生まれつき組織に向かない人の性格
組織に向かない人は上の5つの特徴を持っていることが多く、実はこれらの特徴は生まれつきの気質に大きく関わっています。
それが『内向型(HSP)』と呼ばれる気質です。
内向型とは心理学者のカール・ユングが唱えたパーソナリティの1つ。
ユングによると人間は『内向型』と『外向型』のどちらか寄りの気質を持って生まれてくるとされている。

内向型と外向型の最も大きな違いは『刺激に対する感度』で、これは『DRD4(ドーパミン受容体)』と呼ばれる生まれつきの遺伝子の長さで決まってきます。

- 内向型
- DRD4遺伝子が短く、刺激の許容量が少ないため、刺激に敏感(抑える)
- 外向型
- DRD4遺伝子が長く、刺激の許容量が大きいため、刺激に鈍感(求める)
そして内向型は刺激に敏感なため、以下の5つの特徴があり、組織に向いていません。
- 人との相互作用がストレスになる
- 競争環境が強い刺激になる
- 変化に慣れづらい
- 情報処理に時間がかかる
- 物事を合理的に考える
1つずつ解説していきます。
人との相互作用がストレスになる
刺激に敏感な内向型(HSP)は、弱い刺激を好み、強い刺激はストレスになります。
そのため、人と関わることで受ける刺激がストレスとして結びつきやすいことがわかっている。

- 内向的な人は、他者との相互作用がストレスへと結びつきやすい
- 内向的な人は、すぐに過度な覚醒に陥りやすいため、刺激の多い経験にさらされることを避け、覚醒水準を低下させるために他者との相互作用を避けようとする傾向がある。
だからこそ、内向型は個人主義の傾向が強く1人を好むため、組織のような多くの人と関わる働き方は向いていません。
すばらしい創造性に富んだ人々は落ち着いた内向型だという点で、後の研究でも同じ結果が得られた。
彼らは自分自身について、自立した個人主義だと表現していた。
引用:スーザン・ケイン 内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える
競争環境が強い刺激になる
また刺激に敏感な内向型(HSP)は、競争を強いられる環境は過度な刺激となり、パフォーマンスの低下を招きます。

さらに!過度な刺激を受け続けることでメンタルの低下を引き起こし、極度に内気になったり、うつ病になってしまうリスクも高くなる。

変化に慣れづらい
刺激に対する許容量が少なく刺激に敏感ということは、刺激に対して慣れづらいということでもあります。
そのため、環境への適応に時間がかかり、組織のように『人の入れ替え』や『部署の入れ替え』で変化が激しい環境で働くのは向いていません。
情報処理に時間がかかる
刺激に敏感な内向型(HSP)は、刺激を抑えるために知覚(意図や解釈を加える)してから記憶する『合理システム』と呼ばれる情報処理を行っています。
そのため、情報処理に時間がかかり、1度に複数のことを同時に進めるマルチタスクや、話のテンポが早い雑談や世間話が苦手とします。

合理システムは分析的で意識的かつ努力を要するという特徴を持つが、このような分析的で処理速度が遅い情報処理には意識的で能動的な後注意過程(知覚)が関連する
引用:外向型・内向型における注意機能特性と情報処理スタイルの関連性
なので組織のように、周りと協力しながら複数の仕事を同時に進めていくことが求められる働き方は向いていません。
物事を合理的に考える
合理システムはその名の通り、物事を合理的に考え、シンプルなことを好みます。
なぜなら、無駄や非効率が多く物事が複雑化すると刺激が多くなり、内向型やHSPの場合エネルギーを多く消耗するからです。
そのため日本の組織のように集団の和を重んじ、無駄で非効率で不合理な謎ルールが多い環境で働くことに向いていません。
組織に向かない人の3つの強みと適職
このように『内向型やHSP』は生まれつき組織に向かない特徴を持っています。
では、どのような働き方や仕事が向いているのか?それが『ナレッジワーカー』と呼ばれる職種です。

ナレッジワーカーとは、ナレッジ(知識)とワーカー(労働者)を組み合わせた造語で『高度な専門知識を持つ知的労働者』のこと。
1つの分野に高い専門性を持ったスペシャリストで、企業などの組織に帰属意識を持たないという特徴があります。
内向型やHSPがナレッジワーカーに向いている理由は、以下の3つの強みがあるからです。
- 1つのことを深く追求できる
- 単独で高いパフォーマンスを発揮する
- 物事の本質を理解できる
1つずつ解説していきます。
1つのことを深く追求できる
刺激に敏感な内向型やHSPは刺激を抑えるために働く『特殊好奇心』が高いと言われています。

- 特殊好奇心とは
- 『不明瞭なこと』や『理解できないこと』を明らかにして刺激を抑えるために働く好奇心のこと。
- 方向性を1つに定め、1つのことを追求する性質があります。
そのため、1つのことに粘り強く取り組める『忍耐力』、深く考える『思考力』、そして『知性』が高いと言われています。
- 研究①
- ある研究では、大学生141人を対象に、美術・天文学区・統計学など20種類のさまざまな科目に
- 研究②
- 修士号や博士号を取得する人数も、全米育英会奨学金を受ける人数も、成績優秀者が入会できる〈ファイ・ベータ・カッパ・クラブ〉の会員数も、内向型のほうが多い。
- 研究③
- 企業が採用や昇進の際に使用する、批判的・論理的思考思考を評価する〈ワトソン・グレイザー批判思考力テスト〉でも、外向型より高得点を取る
その結果、内向型やHSPの人ほど1つの分野に高い専門性を持つスペシャリストに向いている。
単独で高いパフォーマンスを発揮する
刺激に敏感な内向型やHSPは『単独で仕事をすることでパフォーマンスが上がる』という強みがあります。
なぜなら、1人になって外部からの刺激を遮断することで、エネルギーを充電するからです。

とういうのも、内向型やHSPは集中やリラックスすることで分泌され『アセチルコリン』という神経物質によってエネルギーを得ています。

アセチルコリンは、深く考え、熟考し、1 つのことに長時間集中する能力を高めます。それは「幸福」のヒットを与えることで精神的な集中に報いる。
引用:マーティ・O・レイニー「内向型を強みにする」
アセチルコリンはフロー状態を引き起こし、集中的実践を可能にします。

集中的実践とは『1人で1つのことに集中的に取り組む学習やトレーニング』のこと。
そして、この集中的実践は「スペシャリスト」と呼ばれる人が例外なくと言いれているトレーニングと言われ、内向型がスペシャリストに適した気質呼ばれている所以でもあります。
物事の本質を理解する
そして内向型やHSPの人ほど物事の本質を理解すると言われています。

なぜなら合理システムは、以下のように“外部からの情報を知覚(意図や解釈を加える)してから記憶する情報処理”を行うからです。

そのため、経験や感覚などで行う対人タスクの仕事よりも、頭の中で合理的な仕組みやシステムを設計する思考タスクの仕事の方が向いているんですね!
実際、当メディアで1万人の内向型やHSPの方を対象にした調査の結果…
組織よりも単独・対人タスクよりも思考タスクを伴う以下の3タイプの仕事が最も適性が高いことが判明しました!

そこで!!以下の記事では、上記の3タイプの仕事の詳しい職業例や、診断テスト(20問/3択式)をご用意しております!
☞【適職診断】20の質問から内向型・HSPに向いてる仕事が見つかる心理テスト!!
組織で働くことに限界を感じる。内向型の強みを活かした仕事をしたい!
そんな方は、ぜひ1度参考にしてみてくださいね!














































