思い込みが激しいと、何気ない会話でも『もしかしたら嫌われたかも』とネガティブに考えてしまったり
注意や指摘を受けると『自分の全てを否定されてる気がする』と些細なことを大きく捉える心理的バイアスにかかってしまいます。
しかし、これらは『長期記憶』が原因になってることが多く『短期記憶』を鍛えることで改善することができます。
そこでこの記事では、思い込みが激しい性格を変えたい人に向け、以下の内容をお伝えしていきます。
- 思い込みが激しい性格の特徴
- 思い込みが激しくなる原因
- 思い込みが激しい性格を改善する方法
思い込みが激しい性格の3つの特徴
僕も昔から『考えすぎ』『思い込みが激しい』と周りから言われてきました。
でも言われるまでは自分に実感がなかったため、ショックだったんですよね。
では『思い込みが激しい性格』とは、具体的にどんな人のことを指すのか?
主に以下の3つに集約されると言われています。
- 物事を主観的に捉える
- 物事をネガティブに考える
- 1つの考えに縛られやすい
1つずつ解説していきますね。
物事を主観的に捉える
一般的に『思い込みが激しい(強い)』状態とは、物事の事実より『自分がどう捉え・感じたか?』という主観を信じることを表します。
そのため、相手は自分のことを嫌っていなくても『LINEに既読がつかないのは嫌われているからだ』と考えすぎてしまう。
また、自分とは異なる意見や一部のことに対する指摘も『自分の人間性』を全て否定されているように感じ、物事を大きく捉えてしまうことがあります。
その結果、落ち込みやすく、自分に自信が持てない人が多い。
物事をネガティブに考える
思い込みが激しい人の共通点として、物事をネガティブに捉えてしまうことが挙げられます。
例えば、上司は『こういうミスは今後気を付けていこうね』と背中を押したつもり言っていたとしても
『見放された』『信用を失ってしまった』というマイナスな方向に考えてしまう。
その結果、ミスを直すことよりも、自己嫌悪や自己否定にエネルギーを取られてしまいます。
1つの考えに縛られやすい
また思い込みが激しいと、1度思い込んでしまったことに縛られやすく、他の意見や考え方に意識が向かなくなってしまう傾向があります。
その結果、視野が狭くなりがちで、人の話を聞かない頑固者と思われてしまうこともあります。
思い込みを『する人』と『しない人』の違いとは?思い込みが激しい3つの原因
今まで述べたように、思い込みが激しい性格的特徴は『主観』『ネガティブ思考』『1つの考えに縛られやすい』です。
逆に世の中には『客観的』『ポジティブ思考』『柔軟に考えられる』人もいて、思い込みをしづらい人たちもいるんですよね。
では、思い込みを『する人』と『しない人』の違いはどこにあるのでしょうか?
それが『内向型』と『外向型』という、生まれ持った気質に深く関係があります。
『内向型』『外向型』とは、心理学者のカール・ユングが唱えたパーソナリティです。
ユングによれば人間は『内向型』と『外向型』のどちらか寄りの気質を持って生まれてくるとされている。
両者の最も大きな違いは『刺激に対する感度』です。
刺激に対する感度は『DRD4(ドーパミン受容体)』遺伝子の長さで決まると言われている。
内向型はDRD4遺伝子が短く、刺激の許容量が少ないため、刺激に敏感
外向型はDRD4遺伝子が長く、刺激の許容量が大きいため、刺激に鈍感
そして、思い込みを『する人』は内向型。『しない人』は外向型に多いと言われています。
なぜなら内向型と外向型にはs以下の3つの違いがあるからです。
- 脳の情報処理システムの違い
- 記憶の違い
- 好奇心の違い
1つずつ解説していきます。
脳の情報処理システムの違い
内向型は『合理システム』。外向型は『経験システム』と呼ばれる情報処理を行っていると言われています。
内向型の合理システムは、受け取った情報に意味や解釈を加えてから記憶し、推測や判断を行う。
逆に外向型の経験システムは、受け取った情報をそのまま記憶し、推測や判断を行う。
そのため内向型は、物事に自分の主観を付け加え、主観に従った反応をする。
逆に外向型は、物事をそのまま受け取り、周囲の状況に従った反応をする。
だから、内向型は物事を主観的に捉えてしまい思い込みをしやすく、外向型は物事をストレートに受け止め思い込みをしにくいんですね。
記憶の違い
また、内向型の合理システムは『長期記憶』。外向型の経験システムは『短期記憶』を中継して情報処理を行います。
長期記憶には『エピソード記憶』や『意味記憶』があり、今まで学習してきたことと照らし合わせながら処理を行う。
逆に短期記憶には主に『作業記憶(ワーキングメモリ)』があり、今起きていることをそのまま記憶し処理を行う。
また長期記憶は『ネガティブな情報ほど保存する』と言われています。
なぜなら人間には『危険から身を守る』という本能が備わっているからです。
ポジティブな記憶よりもネガティブな記憶のほうが脳に刻み込まれやすいと言われています。
私たちの祖先は厳しい自然環境を生き延びるため、楽しかった出来事を思い出すよりも、苦しかった出来事を思い出して危険を回避するほうを優先させなければならなかったのでしょう。
引用:宇治おうばく病院
そのため長期記憶を中継する内向型は、目の前の事実にネガティブな意味や解釈を付け加えやすくなってしまうんですね。
内向型は外向型よりもネガティブ体験に注意が引きつけられる傾向にあり、焦点づけされた注意がさらに選択的にネガティブ感情を高めるという循環的過程を持つことを指摘している。
その結果、物事をネガティブ(マイナス)な方向へ考えてしまいます。
好奇心の違い
さらに刺激に敏感な内向型は『特殊好奇心』。刺激に鈍感な外向型は『拡散好奇心』が強いと言われている。
特殊好奇心とは、疑問・不安・不明瞭なことで生まれるモヤモヤ感を解消して『刺激を抑えるために働く好奇心』です。
逆に拡散好奇心とは、スリル・報酬・冒険心などから生まれるワクワク感を満たす『刺激を求めるために働く好奇心』です。
そのため特殊好奇心が強い内向型は、モヤモヤ感が解消するまで、1つのことを追求する特徴を持っています。
逆に拡散好奇心が強い外向型は、ワクワク感を求めて、幅広く情報を求めます。
だから内向型は、1度思い込むと1つの考えに縛られやすくなってしまうんですよね。
2ヶ月で思い込みが激しい性格を改善する方法
ここまで思い込みが激しい原因は、内向型の『長期記憶を中継した情報処理』が関係していることをお伝えしてきました。
逆に短期記憶の情報処理が得意な外向型は、物事に『主観』を加えることなく、ストレートに受け取って処理を行います。
そのため、思い込みが激しい性格を治すために1番効果的なのが『短期記憶』を鍛えてあげることなんですね。
では、どのようにして『短期記憶』を鍛えればいいのか?
実は、短期記憶=ワーキングメモリは、瞑想によって鍛えることができます。
アメリカの大学の研究成果によると、1日10分の簡単な瞑想を8週間継続することでワーキングメモリの機能向上が見られることが判明した。
参考資料:ウェイク・フォレスト大学の研究・カリフォルニア大学の研究
なぜなら、瞑想には以下の3つの効果があるからです。
- メタ認知能力の向上
- 注意力のコントロール
- ネガティブな感情を抑制する
1つずつ解説していきます。
メタ認知能力の向上
自分を客觀視することを『メタ認知』と呼びます。
瞑想にはこの『メタ認知能力』を向上する効果があると言われている。
なぜなら瞑想は、浮かんでくる思考や感情に善悪をつけず客観的に捉え、呼吸に集中する訓練だからです。
瞑想では自分自身を客観的に眺め受け入れる実践を繰り返していくことでこのメタ認知の力を育て上げることができます。
その結果、自分を客観的に捉え、物事に主観を加えずストレートに受け止めることができるようになります。
注意力のコントロール
1つの考え方に縛られやすいのは、特殊好奇心が強く、注意力が1つのことに焦点づけられてしまうからです。
しかし、ワーキングメモリを鍛えることで注意力をコントロールできるようになります。
苧阪教授が2003年の実験で「意外だった」というのは「注意の制御」が高得点群の人に顕著な活動が見られたことだ。
その後の研究で、「注意の保持」「注意の切り替え」の3カ所がワーキングメモリの要となるネットワークを作っていると考えられている。
そして、瞑想を続けることで注意力の制御や切り替えをコントロールすることが可能になります。
瞑想は「認知機能」と「ワーキングメモリ容量」の両方を改善すると同時に、マインドワンダリング(注意がネガティブなことに焦点づけられた状態)の発生を制御する
その結果、1つの考えに縛られることなく、他の考え方も柔軟に取り入れることができるようになります。
ネガティブな感情を抑制する
さらに瞑想にはネガティブな感情を抑制する効果があります。
なぜなら、感情を司る『扁桃体』の活動を制御できるようになるからです。
その結果、物事をネガティブ(マイナス)な方向へ考えることがなくなります。
このように瞑想を続けることで、思い込みの原因となる『主観的』『ネガティブ』『焦点づけられた』思考を改善することが可能になります。
瞑想のやり方は、以下の4ステップを繰り返していきます。
最初から10分続けるのは集中力が続かず難しいと思いますので、最初は3分程度から始めて、徐々に時間を伸ばすのがオススメです。
短期間で『思い込みが激しい性格』を改善していきたいと思う方は、ぜひ取り入れてみてくださいね!