学生時代からの念願だった音楽業界で仕事をすることができたMu。
しかし待ち受けていたのは、内向的な人間には過酷な労働環境と
コミュニケーション能力という高い壁だった。
必死に外向的になろうと努力したが、ストレスがたまり倒れてしまう。
入院を余儀なくされたMuは・・・
内向的な性格のせいで会社が辞めれない
入院中の僕は、不安で押しつぶされそうになっていた。
なぜなら、職場で悪口を言われているんじゃないのか心配だったからだ。
「あいつ入院したの?本当に迷惑ばっかかける野郎だなぁ」
「自己管理ができないなんて、社会人として失格でしょ」
僕がいないところで、そんなことを言われているんじゃないかと思うと
このまま仕事を辞めたいと何度も思った。
しかし、会社を辞めた後の人生を考えると、余計に強い不安に襲われてしまう。
結局、僕は会社を辞めるという選択肢を選ぶことはできませんでした。
「何をやっても僕はダメだなぁ」
「いつからこんなダメな性格になってしまったんだろう・・・」
入院している間、病室の窓から見える空を見ながら、僕はそんなことを考え続けていました。
内向的な性格になったキッカケ
そもそも、僕はいつから内向的な性格になってしまったのだろう?
今思い返すと、それは小学校高学年になるにつれ、この性格になっていった。
キッカケは、仲の良かった友達と喧嘩したことで、周りから仲間外れにされてしまったことだ。
そこから僕は、人から嫌われることに対して過剰に不安を覚えるようになった。
そのため、周りから嫌われないよう、必死に自分を押し殺しては、周りに合わせるようになってしまった。
中学に入ると、この性格は余計にひどくなっていきます。
例えば、友達に対しても敬語を使うようになり、自ら距離を保つようにしていた。
それはきっと、また喧嘩や仲間外れに合わないための防衛本能からだったと思う。
また、自信のない自分を見透かされそうで、人と目を見て話すことができなくなっていました。
そんな性格なので、心から打ち解けられる友達は1人もおらず
心のどこかでは寂しさや孤独を感じていたんですよね^^;
だからこそ、誰とでも打ち解けられる外向的な性格の持ち主に、劣等感や負い目を感じて生きていました。
ちょうどその頃、僕の体に異変が起こりはじめます。
身体中に湿疹が出て、ひどい痒みに襲われるようになったんです。
僕は患部を人に見られるのが嫌で、余計に人と距離を置くようになりました。
内向的な僕を救ってくれたもの①
そんな孤独な青春時代を送っていた僕を救ってくれたものが「音楽」でした。
中学2年生のころから、音楽に興味を持ち始め
友達の兄貴の影響を受けてドラムを叩くようになります。
高校生になると、楽器を演奏できる人間が多く、音楽を通じて自然と友達ができるようになりました。
また不思議なことに、音楽を通じて仲良くなった友達に対しては敬語を使わず
意識しなくても目を見て話すことができたんですよね^ ^
この経験がキッカケで、僕は将来音楽に携わる仕事がしたいと思うようになりました。
そして、高校卒業後に東京にある音響専門学校に進学。
その後音響エンジニアとして働き始めるようになりました。
内向的な僕を救ってくれたもの②
ストレスにより倒れて入院してから、間も無く1週間が経とうとしていたころ
僕の心は憂鬱だった。
なぜなら、退院して会社に戻るのが怖くて怖くて仕方がなかったからだ。
職場の人から「使えない人間」としてレッテルを貼られてしまったような気がしていた。
そんな恐怖を抱えながら、無事退院して仕事に復帰を果たす。
復帰後は、先輩や上司から面と向かって嫌味を言われることはなかったが
陰で悪口を言われているんじゃないかと、不安な日々は続いた。
そして気づけば、入院する前よりも仕事に対する恐怖が大きくなっていったのです。
今考えれば、単なる自意識過剰ではあるものの
その当時は、職場にいるのが本当に辛く、一刻も早くこの場から消えてなくなりたいとさえ思っていました。
ちょうどその頃、Kさんという30代の男性が東京から転職して、僕の同じ部署に入ってきました。
Kさんは東京で働いていたこともあり、仕事はバリバリこなし、すぐに会社に打ち解けていきます。
そして、僕のことをとても気にかけてくれる先輩でした。
当時、肩身が狭く仕事が辛かった僕は、Kさんのおかげで居場所があったようなもので
Kさんが入ってくれたおかげで、仕事にやる気を取り戻すことができたのです。
天職だと決めていた技術職を諦めるという選択
その後の僕は、Kさんのおかげで、みるみる成長することができました。
そして、少しずつ職場に慣れ始めてきたある日のこと、会社から移動を命じられます。
移動先はなんと、同じ業界の他社。つまり出向を命じられました^^;
やっと仕事の辛さが和らいできた矢先の出向命令だったので、正直会社に不満を覚えました。
「また一からの人間関係かぁ。果たして上手に馴染めるだろうか?」
仕事の内容というよりは、人間関係に対しての不安が大きく、うまくやれる自信なんて全くありません。
そして、いざ出向先での勤務が始まると、僕の不安は的中してしまいます^^;
他社の人間に対して、全く歓迎の意を示さず、無関心な態度。
それに加え、与えられた業務は予想以上に過酷で、終電で帰れずネットカフェに泊まり込む日がザラにありました。
結局僕は、この出向先に馴染むことができず、自分の成長も感じられなかったため
今度こそ耐えきれなくなり、会社を辞める決断をします。
お世話になったKさんに何度か相談して、Kさんも会社に働きかけて僕を引き戻そうとしてくれましたが
結局状況は変わらず、就航先で2年を過ごしたのち、僕はこの会社を辞めました。
その後、転職を果たすのですが、すんなりとは決まらず。。。
第3話に続く