もくじ
内向型は向いている仕事はない!?天職と思っていた仕事でいきなり挫折
僕は、高校時代から将来は必ず音楽に携わる仕事がしたいと思っていた。
高校卒業と同時に東京に出て音響技術を学べる専門学校に入学。
その後は地元に戻り、念願かなって音響エンジニアとしてのキャリアをスタートさせることとなる。
新卒で入社したのは、舞台やTV、イベントなどの演出から技術操作を行う会社だった。
有名人のライブやコンサート、テレビ番組の制作など華々しいイメージがある仕事ですが
現実は過酷極まりない労働環境でした^^;
▶︎朝の5時に会社に集合
▶︎現場に到着後は何十キロもある機材の搬入・設置
▶︎何万人収容のホールやスタジアムの周りを何重往復して配線の引き回し
▶︎リハーサルから本番終了まで、アーティストが奏でる音を調整
▶︎本番終了後は配線や機材の撤収と搬出作業
▶︎夜中の1時に帰社
このようなスケジュール中、ミスが許されない1っ発勝負の仕事だったので
気を抜く暇もなく、体力と集中力が勝負の仕事^^;
また、当然現場作業が中心なので、社員の9割5分は男性。
職人気質な人が集まる昔ながらの体育会系な業界でした。
職人の世界なので、先輩や上司はみな口が悪く、少しでもミスをすれば容赦なく罵倒されます^^;
「おい!!お前本当につかえねぇなー!!」
「バカだねほんと。もっと頭柔らかくなんないの?」
自分の天職にしたいと思い、憧れで入ったこの業界でしたが
内向的な性格の僕には荷が重く、場違いのように感じられたんですよね。
そして入社して1ヶ月が経つ頃には、肉体的にも精神的にも追い詰められていました^^;
技術職は内向的な性格でもイケる!?浅はかだった僕の思考
そもそも、なぜ僕が音響エンジニアになろうとしたのか?
もちろん音楽に携わる仕事をしたいという思いが1番にありましたが
その中でも音響エンジニアは裏方業務で、人前に立つことがないのが魅力的でした。
機材の搬入〜リハーサルまでは、ガンガンにステージ上を走り回っていますが
いざ本番が始まると、ステージ袖に身を潜め、舞台の進行を見守るのが仕事です。
また、服装も全身黒色と決まっていて、目立つことがタブーなのがこの仕事の特徴。
人間を相手にするよりも、機械を相手にすることが多いのも僕の心を惹きつけました^ ^
普通の会社に入れば、人前でのプレゼン力やコミュニケーションスキルが求められます。
しかし、この業界ではそれらの能力は求められず、機材を扱うスキルや知識がモノをいいます。
だからこそ、内向的な性格だった僕には、この仕事が打ってつけだったんですね^ ^
「暗闇に影を潜めながらも、やってることはカッコいい」
そんな理由で僕は音響エンジニアを目指すことにしました^ ^
しかし前途したように現実はそう甘くない。
コミュニケーション能力は求められないと思っていましたが、
実際はチームで進める仕事ばかりで、チーム内で連携するにはコミュニケーションが重要でした。
また、現場では音響以外にも、照明や舞台美術、そしてアーティストとも調整が必要で
その大部分にコミュニケーション能力が求められました^^;
そんな状況に適応できず、足を引っ張っては先輩から怒鳴られる。
僕は想像していた理想と現実のギャップに、浅はかだった自分の考えを呪います。笑
職人の世界でも外向型人間が好まれる
そんな僕とは対照的に、1番年齢が近かった先輩は外向的な性格でした。
コミュニケーションが上手で要領も良く、社内では期待の星との声も。
職場の中では中心となって場を盛り上げ、他部署や他社の人とも気兼ねなく話ができる。
そのおかげで、現場では照明や美術さんとの調整もなんなくこなし
上司からも良く可愛がられていたんです。
一方僕は、現場で怒られるたびに萎縮して、誰に対してもビビっていました^^;
わからないことがあっても、怖くて質問ができず、ミスしてまた怒られる。
そんな負のループにハマりまくっていたんですね^^;
だからこそ、外向的な先輩への劣等感が激しく、自分が惨めでした。
「僕も外向的な性格だったら、こんなに辛い思いはしないんだろうなぁ」
外向的にならなければ、人から気にってもらえることはない。
人から気に入ってもらえなければ、仕事でいい結果を出せることもない
仕事で結果がでなければ、結婚もできず惨めな人生を送ってしまう。
そうやって、内向的な自分の未来を悲観しては、外向的な性格に憧れる日々を送っていました。
内向型人間は無理に外向型になろうとすべきではない
そんな先輩に憧れながら、僕も必死に外向的になろうと努力を重ねました。
勇気を振り絞って、先輩たちの輪の中に入って会話に参加してみたり
仕事の後の打ち上げの幹事を引き受けたり、ビール瓶片手に席を回ってみたり
怒られるの承知でどんどん質問してみたり
積極的に遅くまで残って他の人の仕事を手伝ったり
先輩たちの無茶振りに答えてみたり
なんとか周りから認めてもらおうと、自分を押し殺して柄にもないことばっかりやっていました。
社会人だから当たり前のことではありますが。
でも、結局空回ってしまうんですよね^^;ぎこちなくて気まずい空気を作ってる感じというか…。
それでも、場数が大切だと思って続けていると、ある日僕の体に限界がきます。
現場の撤去作業中にめまいがして、その場に倒れこんでしまったのです^^;
先輩からは、「おい!何やってんだよ!!休んでいいなんて言ってねーぞ!仕事しろボケ!」
と、当然のように罵声が飛んでくるので、無理して仕事を続けると、ひどい寒気に襲われるようになりました。
なんとか現場を終え、いちもくさんに帰宅して夜間緊急にかけつけると
「ストレスにより、扁桃腺が腫れていますね。1週間ほどの入院が必要です。」
僕はそのまま病室に移動させられ、入院することになりました。
第2話に続く