周りは当たり前のようにできることが自分にはできない。
内向的な性格で人と関わることに臆病な私は、職場ではいつも周りから遅れを取り、劣等感に苛まれながら仕事に取り組んでいました。
ですが、今になって思うのは、仕事ができないというより「自分に合った職業と仕事の進め方を理解していなかったんだな」ということ。
結局、それがわかってからは、仕事がつらくなってすぐに辞めてしまうということもなくなりました。
そこでこの記事では、繊細な性格の持ち主の内向型やHSPの人に向け、仕事がつらくなる原因と対策、そして向いてる仕事について詳しくお伝えしていきます!
もくじ
繊細で内向的な人ほど「仕事ができない」と思い込む3つの理由
私自身がまさにそうでしたが、内向的で繊細な内向型やHSPは「自分に自信がない」から、それが仕事にも影響してしまうことが多いのではないでしょうか?
というのも本来、繊細な性格の内向型やHSPは、真面目で地道に頑張れる人が多く、世の中には、その性格を活かして成功している人が多くいるからです!



では、なぜ内向型やHSPほど、仕事に対して自信が持てなくなってしまうのか?
それは、以下の3つの理由で内向型やHSPとって不利な社会構造になっているからなんですよね。
- 外向型を理想とする価値観
- ゼネラリストの育成
- フラッド型の組織構造
❶外向型を理想とする価値観
内向型やHSPの人が、仕事に対して自信を持てない理由の第一位がこれだと思います。
外向型を理想とされる理由は、産業国である日本の約7割が営業やサービス業などの「第三次産業」で成り立っているからです。

その結果、幼い頃から外向的な性格が良しとされる教育が行われ、内向的な自分に自信を持てなくなってしまうんですよね。
引用:心理学者 カール・ユングの言葉
❷ゼネラリストの育成志向
また、日本では総合職文化が根強く、スペシャリストよりゼネラリストを育成することを重視します。

- 総合職文化とは?
- 多様な部門(営業、企画、人事など)で幅広い業務を経験し、高い責任と裁量を持って組織を牽引する人材を育てる組織のあり方。
- 成長意欲や問題解決能力、高いコミュニケーション能力が求められ、ジョブローテーションによる広範なキャリア形成が特徴です。
そのため、 他者と積極的に関われるコミュニケーション能力や行動力など、内向的な人にとって苦手な分野ばかりを求められてしまうため、自信をなくしてしまいます。
❸フラット型の組織構成
以前はピラミッド型の組織が大半でしたが、時代の変化のスピードが早まるにつれて、柔軟に対応できるフラット型の組織体制をとる企業が多くなっています。

フラット型の組織体制では、1人1人がリーダーシップを発揮しながら、周りと連携することが求められるため、私自身もそうでしたが、内向型やHSPほど、付いていくのがつらくなって自信をなくしてしまいます。
仕事がつらくなるメカニズム。繊細で内向的な人が陥る負の連鎖
こんな感じで、人と関わることやリーダーシップが得意な外向型に有利な社会構造になっているため、我々内向的な人間は、自分に自信を持てないんですよね^^;
そして、自分に自信を持てないからこそ、以下のような負の連鎖が起こり、どんどん仕事がつらくなってしまいます。
- 人に聞けない・頼れない
- 仕事が覚えられない・遅い
- 緊張のストレスからミスが増える
❶人に聞けない・頼れない
私自身がまさにそうでしたが、自分に自信を持てないと、人に聞いたり・頼ることができなくなってしまうんですよね。
というのも、人に聞いたり頼ることで、迷惑をかけたり、怒られてしまうのではないかという恐怖が出てきてしまうからです。

特に内向型やHSPの人は、外向的な性格の人に比べ、不安や恐怖を学習しやすいことがわかっています。

だからこそ、内向的な人ほど、自分に自信を持くなることで、人に迷惑や嫌われることに恐怖心を抱きやすくなり、頼れなくなってしまうんですよね。
❷仕事が覚えられない・遅い
また、自分に自信がなく、人間関係に対する不安や恐怖などのネガティブな思考が増えることで、ワーキングメモリの働きが悪くなり、脳のパフォーマンスが低下します。

苧阪教授が2003年の実験で「意外だった」というのは「ACC(前部帯状回)」がワーキングメモリの高得点群の人に顕著な活動が見られたことだ。
ACCは注意を向けるべき対象をうまくキャッチしてそうでない対象を「抑制する」働きをする。
この「ACC(前部帯状回)」は、ポジティブな経験によって活性化され、ネガティブな経験によって負荷がかかる。
そして、ワーキングメモリに負荷がかかり、脳のパフォーマンスが低下することで、人から言われたことを覚えられなかったり、情報が整理できなくなって仕事が遅くなります。

- ワーキングメモリとは情報を一時的に保持する脳の領域のこと
- 行動しながら記憶することを「ワーキングメモリ」と呼ぶ。
- たとえば普段の会話でもワーキングメモリを使っている。
- 相手に聞かれた質問を覚えておくことで質問に答えられる。
- 読書でも登場人物や、前の頁の場面を覚えていることで、文脈が理解できるのだ。
❸人前で緊張やストレスが増える
さらに、脳のパフォーマンスが低下することで、失敗やミスが増え、さらなる自尊心の低下によって周りに人がいるだけで緊張やストレスを感じるようになってしまいます。

その結果、自律神経のバランスが崩れ、仕事を続けることが困難になってしまうこともあります。

繊細で内向的な人が無理なく仕事を続ける3つのコツ
では、私のような内向型やHSPは、どうやって生きていけばいいのか?
そこで、内向型の私でも無理なく仕事に適応できるようになったコツをお伝えしていきますね!
それが以下の3つのコツです!
- 自分を理解してくれる人を1人作る
- 書くことで自分の意見を伝える
- STPDサイクルで仕事を進める
❶自分を理解してくれる人を1人作る
外向型を理想とする社会の中では、どうしても内向的な性格は理解されづらいのですが、自分の周りに1人でも自分のことを理解してくれる人を作るだけでも、仕事に対するつらさは大幅に低下します。
というのも、内向的な人は「親密な人を1人作り、その人を仲介して人間関係を広げる」ことで、外向的な人と同程度のネットワークを築くことができるからです。

内向的な人は、新奇な場面において自分の代わりに身近な友人を代理人として他者と相互作用をしてもらうことによって、友人との共通ネットワークを拡大していた 。
このような方法で、しばらく経つと外向的な人と同程度にネットワークを拡大することができる。
❷書くことで自分の意見を伝える
また、コミュニケーションが苦手だからこそ、自分の聞きたいことや教えて欲しいことなどは、メモに書き起こして、相手が電話などで直接話せないタイミングを狙ってメモを渡していました。
というのも、内向型やHSPは、自分の考えや意見を話すよりも書く方が得意であることや、メモで伝えることで、迷惑をかけたり怒られるかもという恐怖を和らげることができるからです。
内向型は計画を練ったり、文章(特に数字を多く含んだ)をまとめたりするのも得意です。
書く(描く)という行為は「内向型人間」にとってうってつけの表現方法です。引用:内向型人間のための人生戦略大全
❸STPDサイクルで仕事を進める
そして、私のような繊細で内向的な人に多い仕事の悩みとして「失敗や恥を恐れて行動に移せない」というのもあると思います。
そもそも内向的な人は、恐怖や罪に対する感受性が高く、失敗やリスクに対して非常に敏感です。

神経生物学的に見ると内向型人間は「安全追求型」。周囲をよく観察し、行動する前にじっくり観察して戦略を考えてからでないとリスクを伴うことに関わろうとはしません。
とにかく危険を避けようとします……。
引用:内向型人間のための人生戦略大全
そこでおすすめなのが、よく仕事で用いられているPDCAサイクルではなく、STPDサイクルで仕事を進める方法です!

PDCAは行動重視のサイクルですが、STPDは現状分析を重視するサイクルとなります。
そのため、リスクを排除して安心を得てから行動する内向型の行動特性と相性がよく、無理なく行動できるようになりますよ!
以下の記事では、その他にも内向型やHSPが楽に生きるためのライフハックをお伝えしていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
繊細で内向的な人が自信を持てる3タイプの仕事
そして、最後に内向型やHSPの人に向いてる仕事についてもご紹介させていただきます!
というのも、やっぱり自分の強みを活かしてできる仕事につくことで、自尊心や人生の満足度が上がり、長く続けることができるからです!

では、内向型やHSPの強みを活かせる仕事とは?
それが、「現実的・研究的・芸術的」タイプの仕事です!

❶現実的タイプの仕事
現実的タイプの仕事とは、人と関わることよりも、機械や道具の操作・扱い「技」を磨いていく技術系の仕事のこと。
- 現実的タイプの職業例
- 農業・畜産業/園芸業林業・造林・植栽管理/水産養殖従事者・造船技術者/建築職人(大工・左官・型枠工など)/建築士・設備設計/電気工事士・配線工・設備工事士/機械整備・メカニック・自動車整備工/生産技術職・製造オペレーター/土木作業員・道路工事・重機オペレーター/消防士・運転手(トラック・バス)/パイロット・航空整備士/動物飼育・獣医補助・動物看護・ペットシッター/自然環境保護・公園管理/料理人・シェフ・パティシエ・和菓子職人
❷研究的タイプの仕事
研究的タイプの仕事とは、1つの物事を探求し、観察や分析などの深い思考を伴う高度知的専門職の仕事のこと。
- 研究的タイプの職業例
- 研究員(自然科学・社会科学問わず)/データ分析者・統計学者・リサーチャー/プログラマー・ソフトウェア開発者/ITエンジニア・エンジニア(機械・電気・化学・構造など)/医師・歯科医師・薬剤師・検査技師科学者/生物学者・化学者・物理学者・気象予報士</経済アナリスト・政策分析官・リスク分析担当/社会調査・市場調査・ユーザーリサーチャー/Webマーケター(データ・仮説・検証を重視)/コンテンツクリエイター/技術翻訳者・技術ライター/アクチュアリー・保険数理担当/図書館司書・アーカイブ研究員(知識・情報の探究)
❸芸術的タイプの仕事
芸術的タイプの仕事とは、慣習にとらわれず独創的な発想で創造性や内的な自己表現が求められる仕事のこと。
- 芸術的タイプの職業例
- グラフィックデザイナー・イラストレーター・アニメーター/Webデザイナー・UI・UXデザイナー/作家・エッセイスト・コラムニスト・脚本家/映像作家・映画監督・カメラマン・映像編集者/音楽家・シンガー・作曲家・音響エンジニア/フォトグラファー・フォトジャーナリスト/ファッションデザイナー・スタイリスト・服飾デザイナー/インテリアデザイナー・空間デザイナー/広告クリエイター・コピーライター・アートディレクター/演劇俳優・演出家・ダンサー・振付師/美術家・彫刻家・陶芸家・工芸家/アプリ・ゲームデザイナー/インフルエンサー
上記の3つのタイプの仕事は、当メディアが1万人以上の内向型・HSPの人を対象に行った調査の結果、もっとも適性が高いことが判明した仕事タイプとなります。

以下の記事では、内向型・HSPが備える強みと共に、適性が高い理由と20の質問で3タイプの中から適職を診断できる心理テストもご用意しております!
「今の仕事に向いてない」「仕事の環境に馴染めず毎日つらい」
そんな方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!














































