『努力できない人は脳が働きすぎる』と言われ、これは生まれつきの遺伝によるもの。
そして脳が働きすぎるのは『自分に向いてない事』だと脳が自動的に制御をかけてしまうからです。
しかし逆に脳が『自分に向いている事』だと判断し適度に働くようになると、頑張らなくても努力できるようになります。
そのため努力ができない自分を嫌いになる必要はなく、自分に合った努力のやり方を見つけることが大切なんですね。
そこでこの記事では以下の内容をお伝えしていきます。
努力できない原因
努力できない人の特徴
自分に合った努力の方法
努力できない3つの原因
努力できる人は脳のでは『線条体』と『前頭前皮質腹内側部』の働きが活発であると言われています。
この2つは『これだけ頑張れば、これだけの報酬が得られる』という報酬予測の機能を働かせる役割があるそうです。
逆に努力できない人の脳は『島皮質』という部位が活発であるそう。
この部位は『頑張っても無駄ではないか?』『辛いからやめよう』と損害回避を優先しようとする。
そして『島皮質』が活性化しやすいのは、以下の3つの原因が考えられます。
- ネガティブ思考
- 完璧主義
- 外発的意欲に関心が低い
1つずつ解説していきます。
ネガティブ思考
ネガティブ思考になりやすい人は、裏を返せばリスクに敏感です。
そのため『努力しても成果につながらず無駄になってしまうかも』というリスクを考えてしまい、努力に制御をかけてしまいます。
完璧主義
完璧主義な人は、準備を整え、計画通りに遂行しようとする特徴があります。
そのため、準備が不十分な場合や、準備が万全でも計画通りに事が進まないと『このまま進めても意味がない』と挫折する傾向があります。
外発的意欲に関心が低い
外発的意欲とは『報酬』や『評価』など、自分の外側からもたらされる動機のこと。
逆に『好奇心』や『やりがい』など、自分の内側からもたらされる動機のことを内発的意欲と呼びます。
外発的意欲に関心が低い人ほど、努力する目的が内発的意欲から得たものでないとモチベーションが上がらず努力する意味を感じられません。
その結果、やる気が起きず、努力できないことがあります。
努力できない人の脳と遺伝的3つの特徴
努力できないのは脳の『島皮質』という部位が活性化して損害回避を優先しようとしているからです。
そして損害回避を優先しようとする原因は『ネガティブ思考』『完璧主義』『外発的意欲に関心が低い』ことが考えられる。
実はこの3つは『内向型』という気質を持っている人に多く見られます。
内向型とは心理学者のカール・ユングが唱えたパーソナリティの1つ。
ユングによると人間は『内向型』と『外向型』のどちらか寄りの気質を持って生まれてくるとされている。
内向型と外向型の最も大きな違いは『刺激に対する感度』です。
刺激に対する感度は『DRD4(ドーパミン受容体)』と呼ばれる遺伝子の長さで決まると言われている。
内向型はDRD4遺伝子が短く、刺激の許容量が少ないため、刺激に敏感(抑える)
外向型はDRD4遺伝子が長く、刺激の許容量が大きいため、刺激に鈍感(求める)
そのため内向型は強い刺激を避けるために『リスクに敏感』で、損害回避を優先する思考が働きます。
そして内向型には、その他にも以下の3つの脳の特徴があり『ネガティブ思考』『完璧主義』『外発的意欲が低い』という要素を持ちやすい。
- 長期記憶を中継する情報処理
- ルールや常識を優先しやすい
- 内発的意欲によってやる気が出る
1つずつ解説していきます。
長期記憶を中継する情報処理
内向型は長期記憶を中継する『合理システム』という情報処理を行い、受け取った情報に意味や解釈を加えてから記憶し推測や判断を行う。
内向型の人が合理システムの活性化レベルが高く、意思決定場面で合理システムを用いる
また長期記憶はネガティブな情報ほど保存しやすいという特徴があります。
なぜなら人間には『危険から身を守る』という本能が備わっているからです。
ポジティブな記憶よりもネガティブな記憶のほうが脳に刻み込まれやすいと言われています。
私たちの祖先は厳しい自然環境を生き延びるため、楽しかった出来事を思い出すよりも、苦しかった出来事を思い出して危険を回避するほうを優先させなければならなかったのでしょう。
引用:宇治おうばく病院
そのため長期記憶を中継する内向型は、目の前の事実にネガティブな意味や解釈を付け加えやすい。
内向型は外向型よりもネガティブ体験に注意が引きつけられる傾向にあり、焦点づけされた注意がさらに選択的にネガティブ感情を高めるという循環的過程を持つことを指摘している。
その結果、ネガティブ思考になりやすい特徴があります。
社会のルールや常識を優先しやすい
さらに長期記憶には『意味記憶』と呼ばれる、社会のルールや常識を保存する領域がある。
そのため内向型は『こうあるべきだ』『こうしなければいけない』という固定観念に縛られやすく、社会から見て完璧な自分を求めてしまう。
この状態を『社会規定型の完璧主義』と呼びます。
その結果、理想通りに事が進まなかったり、周りから完璧と思われていない状態では、現実の自分を認められず対処できなくなってしまいます。
内向型は、物事を捉える視野が狭く、自己の理想や責任感に没入します。
生真面目で完璧主義、実直に仕事をこなしますが、許容範囲を超えると途端に対処の仕方がわからなくなる傾向があります。
引用:東洋経済
内発的意欲によってやる気を得る
刺激に敏感な内向型は、少ない刺激によって快感を得て、多い刺激はストレスに感じます。
その結果、刺激を抑えるために自分の内側に興味関心が向いやすい。
そのため『報酬』や『評価』などの外発的意欲への関心が低く、『好奇心』や『やりがい』などの内発的意欲への関心が高い。
よって、外発的意欲から得た目的のために努力しようとしても、やる気が起きず努力が続きません。
【努力不要論】頑張らなくても成果を出せる3ステップ
ここまで述べたように、努力できないのは自分が頑張れないからではなく、先天的な遺伝の問題にあるんですよね。
そのため、自分の気質に合った努力を行うことで努力を努力と感じず、頑張らなくても成果を出せるようになります。
では、どのようにして自分に適した努力ができるようになるのか?
そのための3ステップが以下になります。
- 自分の気質を理解する
- 自分の価値観を理解する
- 自分に適したやり方を理解する
1つずつ解説していきます。
自分の気質を理解する
人間には生まれ持った気質というものがあり、最近の研究によって人間の能力は遺伝で50%以上が決まると言われるようになりました。
そのため、自分の気質を理解するということは、自分の『向き・不向き』を明確化させることになるんですね。
自分に向いていて自然にできることであればある程、脳は考えすぎて損害回避を優先することはありません。
以下の記事では、内向型の脳や性格上の特徴から、強みや弱みについて徹底的に解説しています。
ご自分の気質を理解するためにも、ぜひ1度読んでみてくださいね!
自分の価値観を理解する
少ない刺激で快感を得る内向型は内発的動機。強い刺激で快感を得る外向型は外発的動機によってモチベーションを得ます。
そして内発的動機は自分の価値観と一致したものから生まれます。
なぜなら『価値観』とは自分が価値を感じるもので、『好奇心』や『好き』という感情は自分の価値観を満たすことから生まれるからです。
そのため内向型は、自分の価値観を明確にすることで、内発的動機を生みやすくモチベーションを上げやすくなります。
また内向型は内発的意欲によって動機付けされると、アセチルコリンという神経物質を発生させます。
アセチルコリンは、長い間1 つのことに集中し、深く考え、内省や快感を誘導します。
そのため、フロー状態を引き起こして頑張らなくても自然と努力できるようになるんですね。
以下の記事では『自分の価値観を明確化する』ためのワークをご用意しています。
ぜひ1度試してみてくださいね!
自分に適したやり方を理解する
内向型にとっては、自分に適した『環境』や『やり方』も重要になってきます。
なぜなら『刺激に敏感』という特徴があるからです。
内向型に適した環境とは『1人静かな場所で物事を進める』ことに他なりません。
また内向型にとって複雑な作業は疲労を感じやすく、集中しずらくなります。
そのため大きな目標は小さなステップに分解し、1つ1つのタスクの刺激を抑えてあげた方が取り組みやすい。
さらに効果的なのは、1つのタスクが終わるまで次のタスクのことを考えないことです。
このように1つ1つ地道に行うより、複数のことを同時に取り組んだ方が効率が良いように思われがちですが
実はマルチタスクよりシングルタスクで進めた方が40%も効率が良いことがわかっています。
内向型は外発的動機に対する努力は苦手ですが、内発的動機に対する努力は得意です。
だからこそ本来は、集中力が高く、忍耐強いという強みを備えているんですよね。
今回ご紹介した方法に取り組むことで、本来備わっている強みを活かして、頑張らなくても成果を上げれるようになるので、ぜひ試してみてくださいね!