「人と話すのが苦手」「人前に出るだけで頭が真っ白になる」
そんな内向的な性格でHSP気質の私ですが、過去に5年間営業職をしていました。
なぜ、内向的で人と関わるのが苦手なのに、営業をしようと思ったのか?
それは、基本的に1人の時間が多い印象があったことと、内向的な自分を変えたかったからです。
結局、内向的な性格を根本的に変えることはできませんでしたが、それでも5年間続けられたのは営業という仕事が内向的な自分に向いてる部分がもあったからだと思います。
そこで、この記事では、内向的な私の視点から感じた、営業のメリットとデメリットについてお伝えしていきます。
もくじ
営業は向いてない?内向的な私から見た営業職のメリット
内向的な私が営業を5年間は続けることできたのは、他の仕事に比べ、以下の3つが自分に合っていたからだと思います。
- 1人の時間がとりやすい
- 1対1の付き合いが多い
- 直行直帰がしやすい
❶1人の時間が取りやすい
私のような内向型・HSPは、1人になることでエネルギーを充電します。

そのため、出勤後は1日中社内で作業をする他の仕事と比べ、営業は外出が多く1人の時間をとりやすいため、何とか頑張れた部分がありました。
❷1対1で話す機会が多い
私のような内向型・HSPは3人以上の場では、会話に入れなくなりますが、1対1の会話では聞き役としてポジションで上手く立ち回ることができます。

また、内向型・HSPは深く考える分、表情や仕草から、相手の考えや言いたいことを汲み取る能力に長けていると言われています。

そのため、営業を続ける中である程度、会話のロジックが組み上がってくれば、1対1での関係構築が多い営業の仕事は、強みを活かせる仕事の1つではあるのかなとも感じました。
❸直行直帰が多い
これは私の働いていた会社に限るかもしれませんが、営業は直行直帰することが多く、残った仕事を家で片付けることが許されていました。
私自身、周りに人がいると目の前のことに集中できないタイプのため、自宅で1人になって書類の作成などを進められる環境は、すごくありがたかったです。

なので、もし直行直帰が許されていない場合は、営業帰りにカフェなどを利用して残った仕事を片付けるのも1つの手かもしれません。
とはいえ、総合的に見ると、いつまで経っても慣れなかったり、自分に無理をして強いストレスを抱えながら続けることが多かったのも事実です。
内向的な自分が営業に向いてないと感じた5つの理由
私自身、5年間営業の仕事を続けてきましたが、最終的に「内向的な自分には営業は向いてないな」という決断に至りました。
というのも、いつまで経っても以下の5つが苦手で、強いストレスを抱えながら仕事を続けていたからです。
- 人前に出て喋るのが苦手
- 雑談や世間話に慣れない
- 積極性やリーダーシップを取れない
- 競争やノルマに追われるのが苦痛
- 自分に嘘がつけない
❶人前に出て喋るのが苦手
営業である以上、人前でプレゼンを行ったり、会議などで発言を求められる機会が多くあるかと思います。
ですが、私はこれらの行為がいつまで経っても苦痛に感じて、決して慣れることはありませんでした。
というのも、私のような内向的な性格というのは、生まれつき刺激に敏感なことが多く、人前に出たり、周りから注目されることが刺激過多となり、メンタルやパフォーマンスが低下することがわかっています。

- 内向型
- DRD4遺伝子(ドーパミン受容体)が短く、少ない刺激で満足する(刺激を抑える)
- 外向型
- DRD4遺伝子(ドーパミン受容体)が長く、多くの刺激で満足する(刺激を求める)
だからこそ、プレゼンの度に大きな不安やストレスを抱え続け、自分には向いてないと思う要因の1つになっていました。
❷雑談や世間話に慣れない
営業をしていると、1日にたくさんの人に会いますし、その場・その場で雑談や世間話などのコミュニケーションが必要になりますよね。
ですが、私のような内向型やHSPは外部からの刺激を抑えるために、知覚(意図や解釈)を加えて記憶する「合理システム」と呼ばれる複雑な情報処理を行っています。
その結果、情報処理に時間がかかり、雑談や世間話のようなテンポの速い会話が苦手で、そのせいで私自身、なかなかお客様と深い関係を築くことに苦戦することが多くありました。
逆に、要件を伝えることが目的の電話対応は、比較的すぐに慣れることができた印象です。
❸積極性やリーダーシップを取れない
営業である以上、お客様に対してこちらから積極的にアプローチしたり、会話を引き出しリードしていく必要があるかと思います。
とはいえ、私のような内向型やHSPは、外部からの刺激を抑えるために、人と関わるよりも1人でいることを好み、結果的に消極的な性格に偏ってしまいます。

- 内向型
- 刺激に対する感受性が高い内向型は、刺激を抑えようとして”自分の内面“に注意や意識が向かう。
- 外向型
- 刺激に対する感受性が低い外向型は、刺激を求めるため”自分の外“に注意や意識が向かう。
だからこそ、積極的なアプローチやリーダーシップを求められる営業の仕事を続ければ続けるほど、自分に無理をして消耗することが多く、自分には向いていないと思う気持ちが強くなっていきました。
❹競争やノルマに追わるのが苦痛
また営業の仕事は、常に期限やノルマなどに追われ、周りと営業成績を競い合いながら成長を促されるところがほとんどかと思います。
ですが、やはり私自身、ノルマや競争などの強い刺激の環境下に慣れることができませんでした。

というのも、上記のように内向型やHSPは過度な刺激がパフォーマンスの低下を引き起こすため、やはり常にプレッシャーと隣り合わせの営業は、私にとってメンタルを保ち続けるのが難しかったです。
❺自分に嘘がつけない
そして、自分が営業向いてないと思った1番の理由がこれです。
というのも、自分の内面に意識が向かう内向型やHSPは、無理に外向的な性格を演じたり、自分が心にも思ってもないこと(お世辞など)を言うことで自己肯定感が下がり、メンタルに多大なダメージを受けます。

なぜなら、我々内向型やHSPは自分の内面からの期待や要求に応える「内的適応」が進化的・適応的意義になるからです。

だからこそ、外向的な性格を求めれらる営業を長く続けることは自分にはできないと感じるようになりましたし、今となっては取り返しがつかないほどのダメージを受ける前にやめておいてよかったとも思います。
【営業経験を活かせる】内向的な人に向いてる仕事
5年間を通して、内向的な自分が全く営業に向いていないかと言えば、決してそんなことはなかったのかなとも思います。
例えば、数字に追われることは苦痛でしたが、数字を分析して作戦を練ったり、プレゼン資料を作ることなど、対面ではなく、1人でできる思考タスクは得意でした。
というのも、深く考える内向型やHSPが用いる「合理システム」という情報処理は、分析や理論的処理、また概念や思想などの抽象的なものを、図や数字、言語化して具体的にする「抽象的象徴」が得意だからです。

合理システムは分析的で意識的かつ努力を要するという特徴を持つが、このような分析的で処理速度が遅い情報処理には意識的で能動的な後注意過程(知覚)が関連する
引用:外向型・内向型における注意機能特性と情報処理スタイルの関連性
そのため、もし対面営業は苦手でも、資料の作成や数字の分析など、1人で行う思考タスクは苦痛ではないと感じているのであれば、これまでの経験を活かして「コンテンツビジネス」を視野に入れるのもおすすめです。
内向型人間は発信したコンテンツを通じて人を引きつける「コンテンツビジネス」に向いている。
具体的にはソーシャルメディア(ブログやSNS)で活動しながら、自分の作品や制作品を販売するビジネスである。
ソーシャルメディアを利用することは、内向型人間の真価を発揮できる手法の一つであろう。
引用:ダイアン・マルケイ「ギグエコノミー」

<コンテンツビジネスの種類>
- 電子書籍
- note・小説・漫画・実用書・写真集・絵本画像
- 写真イラスト
- イラスト・デジタル画像・ストックフォト・アイコン・ロゴ・背景画像
- 音楽・音声
- 楽曲・サウンドエフェクト・ナレーション・ポッドキャスト・オーディオブック
- 映像
- 動画講座・ショートフィルム・アニメーション・ストックビデオ・ウェビナー
- ソフトウェア
- モバイルアプリ・PC用アプリケーション・ブラウザ拡張機能・プラグイン
- テンプレート
- Webサイトテンプレート・プレゼンテーションテンプレート・レジュメテンプレート・チラシ・フライヤーテンプレート・名刺テンプレート・ハンドメイドの型紙・編み図・素材画像など
- 学習コンテンツ
- オンライン講座・チュートリアル・レッスン教材・学習用プリント・練習問題・ワークシート
- 学習コンテンツ
- オンライン講座・チュートリアル・レッスン教材・学習用プリント・練習問題・ワークシート
- ゲーム
- モバイルゲーム、PCゲーム、ブラウザゲーム
- 3Dモデル
- キャラクター、建築物、小物、背景
- フォント
- 商用フォント、手書きフォント、デザイン書体
コンテンツビジネスとは、主にソーシャルメディアを活用して、自分の知識・ノウハウ・スキル・アイデアといった無形の価値をデジタル化(文章・動画・教材・記事など)して届けるビジネスです。
実際に私自身、営業を辞め、0からコンテンツビジネスをはじめたところ、1年以内に会社員時代の3倍の収入を得られるようになり、人生が大きく好転しました。

なぜ、コンテンツビジネスは内向的な営業マンに向いている仕事なのか?
それは、コンテンツビジネスには、以下の3つの性質があり、内向型やHSPの特徴や強みを活かしやすいからです!
- 界隈コミュニティ
- ビジュアルコミュニケーション
- インバウンドコミュニケーション
❶ 界隈コミュニティ:深く狭くつながる文化
ソーシャルメディアは、界隈コミュニティを形成する性質があります。

共通の目的や価値観を持った人たちが集まり情報を共有するコミュニティの形
この構造は、多くの人と広く関わるよりも、少数と深く関わることを好む内向型やHSPにとって理想的。
また、界隈の特性として、その分野の専門的な知識や深い情報を持つ人が、コミュニティの中でも存在価値が高くなる習性があります。

界隈の中心的存在になるには、単純な「好き度」だけではなく「情報量」が重要なようです。
「知識を極めること=かっこいい」という価値観が浸透しつつあるようです。
内向型やHSPは、刺激を抑えるために働く『特殊好奇心』が高く、1つのことを狭く深く探究する能力に優れています。

特殊的好奇心は、認知構造の発達を目指す行動である。つまり今ある知識をより深め、より確かなものにしていく好奇心である。
引用:個人特性としての好奇心の領域とタイプについて
そのため、自分の好きや得意の分野を深掘り、コンテンツとして発信していくことで、短期間で自分の価値が高まり収入UPに繋げることができます。
❷ ビジュアルコミュニケーション
ソーシャルメディアは、「テキスト・画像・動画」で考えや想いを伝達するビジュアルコミュニケーションという特性を持ちます。

文字や画像、イラストなどの要素を用いて、情報を伝達するコミュニケーションの形
そのため、行動タスクよりも思考タスク、話すより書く(描く)ことが得意な内向型やHSPにとって、非常に相性の良い表現の場なんですよね!

内向型は計画を練ったり、文章(特に数字を多く含んだ)をまとめたりするのも得意です。
書く(描く)という行為は「内向型人間」にとってうってつけの表現方法です。
その結果、たとえ人と関わることが苦手でも、共感や信頼が積み上げることが可能で、自分に無理することなく深く繋がるファンやフォロワーを増やしていくことができます。
❸ インバウンドコミュニケーション
ソーシャルメディアには、相手から働きかけてもらうインバウンドコミュニケーションという性質があります。

- インバウンドマーケティング
- ユーザー側からこちらに興味を持ってもらうアプローチの方法
- SNSやブログなどのインバウンド型情報発信メディアではユーザーが主体となり、自発的に自分が知りたい情報・興味のある情報を探しに訪れます。
- アウトバウンドマーケティング
- こちらからユーザーに働きかけるアプローチの方法
- TVやラジオなどのアウトバウンド型情報発信メディアでは企業側が主体となり、一方的に伝えたいことを伝えます。
インバウンドコミュニケーションはユーザーの関心が高いトピックに関連した発信を行い、興味を持ってもらいます。
そのため、相手の心理や本心を見抜く力や、相手の立場に寄り添える共感力が高い内向型やHSPほど、実は効果を発揮しやすいコミュニケーションなんですよね!

内向型人間の多くは人の話をよく聞き、相手にとって大事なもの、重要な情報を分析して要望や本質を見抜くのです。
引用:シルビア・レーケン「内向型人間のための人生戦略大全」
このように、ソーシャルメデイア × コンテンツビジネスは”内向型やHSPと相性がよく、最も特性を活かしやすい仕事になります。
| 観点 | コンテンツビジネスの特徴 | 内向型との親和性 |
|---|---|---|
| 人間関係 | 非対面・一人完結 | 刺激が少なくリラックス |
| タスク性質 | 思考・言語化中心 | 合理システムに最適 |
| 評価軸 | 深い情報・独自性 | 1つのことを深く追求 |
| ペース | 自分のペースで設計・積み上げ | 自律的・マイペースに継続 |
| 成果構造 | ストック型・信用資産化 | コツコツ努力が報われる |
| 資格・経験 | 不要(内面の言語化で価値) | 体験と洞察が武器になる |
何より、コンテンツビジネスは、営業時代に培ったスライド作成のスキルやセールスロジックなどをそのまま活かすことができ、尚且つ1人でコツコツと積み上げ式でできる仕事なので、内向的な営業マンには非常に相性の良い仕事になるかと思います。
だからこそ、私自身もわずか1年未満に会社員時代の3倍の収入を得られるようになりました。
以下の記事では、コンテンツビジネスについてもう少し掘り下げていますので、興味があれば参考にしてみてくださいね!
また、実際にコンテンツビジネスを始めて、どのように生活が変わったのかを以下の記事でまとめていますので、こちらも興味があれば、ぜひご覧ください^^
それでは、最後までご覧くださりありがとうございました!










































